ヴィオラの選び方
ヴィオラを選ぶ ー その特殊性に由来する選ぶ難しさ
- サイズがまちまちである(理想のサイズでは顎にはさんで演奏不可能)
- 胴体の長さが同じでも楽器の厚みや膨らみ、エラ(楽器の肩)の張り出し方(形状)などにより、弾いた感じが違う
- ヴァイオリンに比べ製作本数が極めて少ないので良い楽器を探すのに苦労する
- アルトからテノールの音域を受け持つので、アルトとしての性格(A線側)を重視するか、テノールとしての性格(C線側)のか、弾く人、聴く人によって好みが分かれる
- 伴奏楽器としてイメージするのかソロ楽器としてイメージするのかで、音のイメージが人によって異なる
- ヴィオラといったときに、渋い、いぶし銀など落ち着いた音をイメージするのか、明朗快活な音をイメージするのか弾く人、聴く人によって好みが分かれる
要は、ヴァイオリンにおけるストラディヴァリのような「スタンダート」が存在しないため様々な要素が混在してしまっていること、それがヴィオラを選ぶとき の難しさを産んでいる。だがそのヴィオラの形や大きさの多様性が、あの少し不安定な、しかし魅力的な音を産みだしているとも言えよう。
ヴィオラの選び方に関するご提案
多くの人は可能な限り大きい楽器を持とうとサイズにこだわり、楽器のつくりの良さとか響きとか楽器本来の重要な要素を忘れている。
また、サイズが同じであっても形状によって弾き易さはかなり異なる場合が多い。演奏のための道具なのであるから弾き易さも重要な要素である。
鳴らない大きいサイズ(希望のサイズ)のヴィオラと小さいサイズで良く鳴る良い響きのヴィオラがあった場合そういう人はどちらを選択するのだろうか?
そこで、私はヴィオラ選びに関して以下の提案をいたします
- サイズにあまりこだわらないで (大きいから良い音がするとは限らない)
- 楽器のつくりを良く見る
- 音色の良し悪しより、先ずは良く鳴る楽器を選ぶ
- 弾き易い楽器を選ぶ
- A線側を重視するかC線側を重視するか割り切る
(二兎を追うものは一兎も得ず)
- 新作、オールド、モダン、国籍に拘らないで選ぶ
ご参考になれば幸いです。
本格的にヴィオラを選ぶときは→ 弦楽器サラサーテ がお手伝いいたします